近代日本画の巨匠 速水御舟-新たなる魅力 を見てきました

洛北修学院村
洛北修学院村

平塚市美術館Link で開催された「近代日本画の巨匠 速水御舟W-新たなる魅力」を見てきました。

画法が一貫していないため、本当に全部同じ手による作品なのかと驚きました。伝統的な日本画、西洋画のような細密画を取り入れた日本画、琳派、印象派など様々なものを吸収し、絵を取り入れていて、その器用さには圧巻でした。作風がコロコロと変わるのは良くないという人もいると思いますが、常に新しいもの挑戦し、取り入れるという姿勢が私は好きですね。ただ、もしかしたら、才能に恵まれるということは画家にとって時に弊害となるのかもしれない、この展覧会を通してそんな風にも感じました。

私が一番好きだったのは上に載せた「洛北修学院村」です。これは絵そのものが良いというよりも、青が素晴らしいなと感じました。心を包み込んでくれる、そのような印象です。これは他の作品にも言えることなのですが、御舟の描く青は青がもともと持つ、心を落ち着かせてくれるという心理的効果をさらに高めている、そのような深みを感じ取る事ができます。

樹木
樹木

「猫(春眠)」と「山茶花に猫」
「猫(春眠)」と「山茶花に猫」


他に良いと思った作品をあげると、生き生きとした生命力あふれる「樹木」や「猫(春眠)」などかわいい猫を主題とした作品、「丘の並木」や「晩冬の桜」といった葉の枯れ切った細い枝木の哀愁漂わせる繊細な作品などでしょうか、ちなみに私は御舟の描く人物画はあまり好きになれませんでした。人物画も上記のように様々な画法で描かれているのですが、どれも巧いとは思います、しかし、心に来るようなものはありませんでした。まあこれは私自身が男性画には男らしさ・強さ、女性画には美しさ・色っぽさ・妖艶さのようなものを求めているせいでもあるのかもしれません。(笑)

約1年後に山種美術館Link でも御舟の展覧会が行われるということで機会があればぜひ行ってみたいと思います。

ちなみに今日が最終日ということで、あいにくの雨の中、自転車を走らせ30分ほどかけて行ってきましたが、空いていて、最後まで一通り見たら、折り返して作品を見直すなど、ゆったりと見ることができたので行った甲斐はありましたね。平塚市美術館は2月に行った河野通勢展Link 以来ですが、家から交通費をかけずに行けるところですので、是非今後もこういった意欲的な展覧会を期待したいと思います!


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